今週もレッスルエンジェルスができなかったため、プロレス漫画を読み返すことで気分を紛らわすのでした。今回はこの漫画を紹介。

※※※以下ネタバレの嵐※※※


本格プロレス描写「いいわぁ!」
独特の世界観と描き込みの傑作!

アフタヌーン
『パラダイス・レディー』
かきざき和美

51yHiSl1RNL


  

『アフタヌーン』誌上で、1991年2月号から1992年1月号まで連載されていた純女子プロレス漫画です。単行本は全2巻。エロ、萌え要素は一切なく、あるプロレス団体の1連のストーリーを描いた作品になっています。

以下、登場人物紹介(表紙原文ママ)
・ダイナソー荊子
超一流モデルにしてプロレスラー。エンプレス大鳳と闘いたいがために女子プロレス団体『統一』に挑戦状を叩きつける。
・バロネス斎藤
パワープロレスが得意で真っ正面から勝負に挑む。
・ダッチェス霧山
空中戦法を駆使する、“魅せる”プロレスラー。
・プリンセス樹理
『統一』内では大鳳に次ぐ実力の持ち主。
・カウンテス由紀
関節技の名手。多彩な技で対戦相手を苦しめる。
・エンプレス大鳳
『統一』の頂点に君臨する女帝。不敗のまま『統一』のリングから引退することを宣言する。


ある女子プロレス団体『統一』での出来事。圧倒的な実力でリングを支配していたエンプレス大鳳が引退し、空位となったWFFF王座を巡って王者決定戦が行われている。この団体では年間勝率によるランキング制が行われており、その上位4名、バロネス斎藤、ダッチェス霧山、プリンセス樹理、カウンテス由紀は“四天王”と呼ばれていた。新チャンピオンもその4人の中から選ばれると思われていたが……。

そこへ登場するのが、海外のトップモデルでありながら、女子プロレスラーを本業とするダイナソー荊子。バロネス斎藤の試合にドレス姿で乱入し、強襲。リング上を占拠したあげく、引退したエンプレス大鳳へ挑戦状を叩きつけます。実はダイナソー荊子、ランキング上位の外国人選手の代わりに派遣されたフリー選手。初登場から自己プロデュース前回。バロネスの「このカッコつけが……」という台詞に対し、

「冗談じゃないわ」「プロレスラーがリングの上でカッコつけなくてどこでカッコつけろっていうの!!」
IMG_6452


ダイナソー荊子は、トップモデルを経験していることもあって、プロ意識が高い! 「いいわぁ!」の決めゼリフと合わせてファンの人気も定着していきます。そんな荊子に対し、大鳳も認めていく姿勢。四天王を1人ずつ倒し、大鳳との闘いへ向かっていくことに。しかし、そんな闘いの中、海外から思わぬ強敵が参戦。グロリア=ブルテス、クイーン=ママのタッグチームが『統一』マットを脅かします。クイーンは、なんと大鳳を「姉貴」と呼び、“姉妹”タッグを組んで統一最強タッグベルトを保持していたものの、大鳳の引退とともに解散。再び新パートナーとタッグベルトを狙いに参戦したのだった。

さらに、ここで発覚する驚愕の事実!

ダイナソー荊子 身長192cm体重90kg
エンプレス大鳳 身長230cm体重134kg
グロリア=ブルテス 身長200cm体重117kg
クイーン=ママ 身長213cm体重122kg


身長230cm……!? というか、トップモデルのはずの荊子も身長192cm体重90kgと完全に男子プロレスラーの範疇。というか、2巻から一気に怪獣戦争の様相に。荊子も10m以上離れた相手へ、コーナートップからのラ・ケブラーダを披露。荊子はまだいいのですが、エンプレス大鳳、クイーン=ママが化け物過ぎる。『アグネス仮面』の終盤をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。この2人がタッグを組んでいて、どうやってこの団体は興行をしていたのだろう……。(一応、これも伏線ではあります)

ともあれ、技の見せ方、試合展開、魅力たっぷりの選手たちと、個人的には1、2を争う女子プロレス漫画だと思っています。惜しむらくは、もう2〜3巻続きを読みたかった! 書店で見かけた際は、是非お手にとって見て下さい。

以上、駄文でした。

※そのほかのプロレス漫画レビューはこちら!
第1回 うちだ藤丸『超バージン!』
第2回 志村貴子『ラヴ・バズ』
第3回 かきざき和美『パラダイス・レディー』
第4回 あの先生も描いていたプロレスマンガ
第5回 女の子がやられちゃうプロレスマンガ


「一生、レッスルエンジェルスします」
banner